陸燁華『今夜宜有彩虹』
今夜宜有彩虹 (豆瓣)
陆烨华『今夜宜有彩虹』(今夜、虹出づるによろし) (新星出版社、2017)
あてもなく街をさまよう「おれ」は、川に身を投げる男を目撃し、彼が残した持ち物を手がかりに家を漁ろうとする――小さな喫茶店で働く沈冰月は、赵と名乗る怪しげな客に翻弄されるが、彼の一言で状況は一変する。
独自のユーモア本格を追究する(ということでいいのだろうか)作者の初長篇。シチュエーションが喜劇的に展開していく男パートだったり、会話のユーモアを中心に展開する喫茶店パートだったり、二つのパートに共通する形式上の段取りの"はずし"だったりと、手数多く笑いを引き出していく姿勢。
同時に、謎解きの展開はガチガチとまではいかないが色々な切り口でしっかりした立て付けがされているし、シリアスや泣かせの場面もある。ただ手広い要素を盛りこみすぎた感じもあって、テンションの断層に今ひとつついていけないのはやや難……がもしかしてそれもギャグの一環か。4
訳しづらいタイトルである。東川篤哉『交換殺人には向かない夜』をもじっているらしいが、そのまま当てはめても語呂が悪いし、章題と合わせると明らかに占いを意識している文だし……
陆烨华『今夜宜有彩虹』(今夜、虹出づるによろし) (新星出版社、2017)
あてもなく街をさまよう「おれ」は、川に身を投げる男を目撃し、彼が残した持ち物を手がかりに家を漁ろうとする――小さな喫茶店で働く沈冰月は、赵と名乗る怪しげな客に翻弄されるが、彼の一言で状況は一変する。
独自のユーモア本格を追究する(ということでいいのだろうか)作者の初長篇。シチュエーションが喜劇的に展開していく男パートだったり、会話のユーモアを中心に展開する喫茶店パートだったり、二つのパートに共通する形式上の段取りの"はずし"だったりと、手数多く笑いを引き出していく姿勢。
同時に、謎解きの展開はガチガチとまではいかないが色々な切り口でしっかりした立て付けがされているし、シリアスや泣かせの場面もある。ただ手広い要素を盛りこみすぎた感じもあって、テンションの断層に今ひとつついていけないのはやや難……がもしかしてそれもギャグの一環か。4
訳しづらいタイトルである。東川篤哉『交換殺人には向かない夜』をもじっているらしいが、そのまま当てはめても語呂が悪いし、章題と合わせると明らかに占いを意識している文だし……
スポンサーサイト