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新日嵯峨子『台北城裡妖魔跋扈』

台北城裡妖魔跋扈 (博客來)

新日嵯峨子『台北城裡妖魔跋扈』 (奇異果、2015)

日本がアメリカと開戦せず、日本による統治が続いたままの1950年の台湾。この地を霊的にも治めるため、神務局は大妖怪「言語道断」を日本から連行し、台北に強力な結界を張らせて現地の妖怪を支配していた。しかし、日本政府要人を次々と殺して台北を騒がせていた殺人鬼『K』によって、強い力を持つはずの言語道断が殺害され、台北の妖怪たちは大混乱に陥る。言語道断を崇拝していた觀世不動と、表では新聞社に勤めている妹の不語の兄妹をはじめ、一部の妖怪は各々事件の調査を始める。
一方、文壇に地位を築きはじめた新進作家、子子子子未壹は、『K』への考察でも注目されている謎めいた文芸評論家、新日嵯峨子のサロンに招かれる。そこで彼が新日に聞かされたのは、日本から台北へ連れられた妖怪を題材にするという小説の構想だった。


世界観を共有する複数のゲームや小説(同人作品を含む)を生み出している『臺北地方異聞工作室』なる大きなプロジェクトの作品群の一角をなす作品のよう。表に裏に陰謀が渦巻く伝奇ふうな設定の中での特殊設定ミステリ(バトル込み)を基調としながらも、さらに実在の人物を複数登場させた上で作中の台湾の複雑な政治状況や文学談義、メタフィクショナルな仕掛けも盛り込まれ、それが全体に重すぎないトーンでまとめられている。恥ずかしながら自分は初めて知ったんですが、本願寺台湾別院とか台湾大神宮とか伝奇ものにとっては嘘みたいに素晴らしい舞台ですね。
完全なごった煮状態は楽しいんですが、作者が楽しみすぎているというかただでさえこれだけ語ることのある物語をその上群像劇で描くので、一つ一つばらばらの要素を生のまま顔面で受け続けるような感覚はなきにしもあらず。続巻や関連作で補完されているのだろうか……プロジェクトの全貌や「新日嵯峨子」という筆名のことも掴み切れていないし、できれば他の作品に触れてから判断したい。3 1/2
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