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金庸『秘曲 笑傲江湖』

金庸(小島瑞紀 訳)『秘曲 笑傲江湖』 (徳間書店、1998。原作1967)

天下無敵とも噂される「辟邪剣法」を伝える福威鏢局。しかし一人息子の林平之が行きがかりから身元の分からない男を殺した直後、鏢局は何者かによって壊滅させられ、流浪の身となった彼は仇を探すため英雄侠客たちの集まる街へと潜り込む。折しもそこでは五山剣派の一つ衡山派の大物、劉正風の引退の儀が行われようとしていた。しかし五山剣派とは不倶戴天の敵である魔教の者と交わったことを告発されて、劉正風は逃亡し、秘曲の楽譜を華山派の無頼の一番弟子、令狐冲に託して友の曲洋と共に命を絶つ。

言わずと知れた大名作ですが、あらすじの要約のしようがない(2ツイート書いても全く本題が見えてこない)ほど大量の登場人物とエピソードを次々投入し、更にどこを取っても強烈な印象のあるものに仕立て上げた上で最終的にどうにかまとめ上げる剛腕にはとにかく唖然とするしかない。一方、冒頭から数々の謎が仕込まれ、要所要所で真実が明かされることが後押しとなって物語が転換していくのでミステリとしてもかなり読み応えがある。まあそんなことを考えるまでもなくキャラクタ達のインパクトに惹かれて読んでいけば大満足間違いなしですが。4 1/2
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小学館ではなく徳間書店ではないです。

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